著書「恐い間取り」や「恐い旅」の大ヒットが記憶に新しい松原タニシさん。
彼は事故物件住みます芸人として、すっかり心霊界の時の人になっている。動画配信で、彼が出るものは軒並み視聴回数が増えます。
日本4大怪談のひとつ「OKOWA」では発起人の一人。
そんな彼は決して怪談が上手いわけではないが、面白い話はたくさんあります。なにより、ひょうひょうとした人柄がにじみ出ていて、なんとなく好きになってしまいますよね。
彼が月イチで持っているラジオ関西のレギュラー番組「生きる」で、最近の心霊話しをしてくれたので、こちらの話しをご紹介します。
決して恐怖におののく話しでは無いですが、なかなか生々しい話しです。
ドキュメントでの怪談
ヒストリーチャンネルの4Kゴーストという心霊番組あった。
その第1回が「4Kゴーストと事故物件」というコンセプトで、霊能者のパトラ三月さんと共に、松原タニシがかつて住んだ事故物件を本人がめぐるドキュメンタリー。それを撮影している時の話だ。
今までは北野誠の「おまえら行くな」の考え方に影響され、自分たちが経験したもののみを届けるスタイルを取ってきた。
要は、霊能者の方にしかわからない世界は、自分たちには届けにくいので、あまり霊能者の方とのコラボはしていなかった、ということだ。
今回は、霊能者と一緒の企画だったので、あまり体験のないものだった。霊能者のパトラ美月と共に、霊能体質のアイドル篠原と一緒だった。
かつて住んだ3件目の事故物件に行くことになった。
その部屋自体はすでに人が住んでいたので、たまたま空いていたその1つ下のフロアの部屋でロケをすることになった。
この事故物件というのはロフトがある部屋。
住民の女性が玄関のドアノブに紐をかけて、座るように首を吊った。
しかし、実は、その女性の前に住んでいた人がロフトで首を吊っていたので、2連続の事故物件だった。
中に入ると、パトラはすぐに何かを感じたようで、トイレに行き、上を見上げ、タニシに伝えた。「今、この上から女性が覗いている。タニシさんが住んでいた部屋の女性でしょう」。
写真は篠原が撮ると霊が写りやすいとのことなので、スタッフが彼女に携帯を渡して写真を撮ってもらうことにした。
上の方を向きカメラを構えたが、なかなかシャッターを押さない。
自分も入ったほうが彼女も気が楽にできるし、心霊写真も取れやすいのでは、と考えたタニシは、そのカメラの画角に入り「僕も一緒に撮ってください」と言った。
そのとたん、篠原が急に「ワーッ!」と取り乱して泣き出した。
あまりの事にタニシは焦ってしまい、状況を把握できずにいたら、パトラが慌てて「タニシさんから急いで離れて!」と篠原を跳ね除けた。
状況が掴めないままの戸惑っているタニシの隣で、パトラは「大丈夫!大丈夫!」と篠原さんの背中をバンバン叩いてなだめている。
彼女をすぐに廊下に出すようスタッフに伝え、タニシのところへ来て状況を伝えた。
「あなたは職業上お祓いをしないってことなので、あなたのお祓いはしないけど、この場を沈めなくてはいけないの。だから、今から鎮めるけど、許してね!」。
そのままお経を唱え始めた。
数分間お経を唱えた後に、タニシと一緒に篠原さんの様子を見に廊下に出た。
篠原は落ち着いていたが、スタッフが篠原になにが起こったのか心配そうに聞いてきた。
すると篠原が語り始めた。
「写真を撮ろうとトイレに入ってカメラを構えたら、何かとても怒られている気がしてシャッターが切れなかったんです。
タニシさんが目の前に現れた時、急に自分の中に何かが入ったような気がして…。
その途端、急にタニシさんが好きで好きで仕方がない感情に襲われたんです。いますぐにも抱きしめたい衝動になって、どうしようもできなく泣いていましました」。
その話を聞いてパトラが話し始めた。
「実は、タニシさんがまだ上の階で生活していた時、霊である彼女は、急に自分の部屋で生活を始めたタニシさんに怒りを持っていました。
しかし、彼女の存在を恐れることもなく、普通に生活しているタニシさんを見てる内に愛おしくなったんです。
彼女は、タニシさんとの1年半の生活が楽しくて楽しくてしょうがなかった。彼女の中では素敵な思い出になっています。
なのに、いきなり若い女性がタニシさんと一緒にやってきたことで、タニシさんを取られてしまうような気がした。それで、怒りの気持ちを篠原さんに向けたんです。
だけど、彼女の中に入れば、物理的にタニシさんと触れ合えることに気づき、彼女の中に入ったんです。でもこれはとても危険なことなので、急遽彼女のお祓いをしました」
「このロケで初めてタニシさんに会ったが、まったく好みじゃない。こんな男の人、私、ほんと苦手だなって思ってたんです。だから、ほんとに好きになるわけがないです。
でも、さっきスマホのカメラでタニシさんを撮ろうとした時に、タニシさんがスゴイ好きな気持ちに襲われたんです。
でも私は好きじゃないから、私の中でその気持同士が戦って、どうしようもできなくて泣いてしまったんです」と篠原さんが話した。
更に「改めて言うけど、タニシさんのことは本当に好きじゃない」と念を押した。
なんとも複雑な気持ちだったとタニシはつぶやいた。
この後、7月に怪談住職の三木大雲住職との怪談トークのイベントがあった。
その時にこの話をした。
そのとたん、ライブハウスの右側の壁が急に光った。そこには証明機材等は一切ない。お客さんもその光を見ていて、みんながざわついた。
すると三木大雲住職が「彼女です」とつぶやき、「こういうことはよくある」と説明をした。
その後、名古屋のトークイベントでこの話をしたら、急にエンディングで使う音楽が流れ始めた。
音響に確認したところ、全く触っておらず、急に勝手に流れ出したとのことだった。
実は、このイベントでタニシがステージに出る直前、自分の楽屋のドアが開く音が聞こえた。舞台に出ようとしたが、楽屋に戻り確認した。誰もいない。
舞台に出ていき、出演者にこの話をし、イベントが始まっているのにも関わらず、一緒に楽屋に見に行った。すると急に楽屋のドアがバタンと閉まった。
楽屋のドアの外には誰もいないので、中に閉めた人がいるはずだが、中には誰もいなかった。
そして、今この話をこのラジオでしている途中に、急にノイズが入った…。
まとめ
霊能者の方がいると、たしかに分かりやすいが、その話を証明できるものがなく、歯がゆさが残る。
でも、なかなか臨場感のある話だったので、ご紹介しました。
面白い話しがあれば、これからもご紹介します。
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