デザインの現場:超初心者に必要な3つの心がけ・思考!

デザインノウハウ
この記事は約9分で読めます。

実際に私がいるデザインの現場は、全くの初心者が働きに来るケースが多くあります。

私自身も元々デザインを勉強していたわけじゃなく、社会人経験後、しばらくしてから興味本位でこの仕事に入りました。なので、ただデザイン的なものが好きで、いろいろ見たり、集めてたりしていただけでした。

私が入った現場は、そのような人を受け入れ、全くの「0」から教えて行きます。初心者中の初心者達ですね。

そのような中、本当に誰もが陥る初心者の「考え方の罠」があります。

あどみさん
あどみさん

え、罠!!

その罠を見据えて、必要な心がけ・心構え、そして、基本中の基本としての思考・考え方をご紹介します。

スポンサーリンク

心がけと思考:よくある大きな間違え

初心者の人達に知っておいてもらいたい考え方があります。要するに「心構え」ですね。

あどみさん
あどみさん

心構えー!?なんか大変そう…

デザインを仕事に見据えているなら、心構えは必要ですね。実際、デザインの製作会社に入ったとしても、フリーランスで単独で行うにしても、デザインはクライアントの目的を達成するものでなくてはいけません。

それは、「集客」であったり、「販売」であったりするわけです。

そこで、仕事を始めたばかりの人に、とてもよくある間違いを3つご紹介します。

1.自分の作りたいデザインを優先する
2.自分の個性を出そうとする
3.クライアントが持つイメージを優先してしまう

特に①と②は本当によくあります。私も含め、必ずやってしまいます。

あどみさん
あどみさん

①は分かるけど、②はダメなの?

はい。クライアントから、あなたの個性を出してほしい、との依頼があった案件でしょうか?

あどみさん
あどみさん

そうかー…。ちゃんと依頼があれば良いんだね?

そうですね。依頼があるなら、それに沿って効果が出るデザインを考えていきます。ですが、デザインの仕事の初心者に、そのような仕事が来るでしょうか?

あどみさん
あどみさん

ふつうに考えたら…

ハカセン
ハカセン

残念ながら来ないのぅ…。
家族や親族からの依頼とか、友達からの依頼だったら別ぢゃが…

あどみさん
あどみさん

そうねー…。

ところで、③はおかしくない?クライアントのイメージ通りに作らなくちゃダメじゃないの…?

そうですよね!普通に考えたら、そう作らなくちゃいけないですよね。では、それも含め、ひとつひとつ見てみましょう。

【やっちゃダメ】自分の作りたいデザインを優先する

自分の作りたいデザインを優先する。これをやらない人はいないのでは無いでしょうか。それくらい、普通にやってしまうのがこの事項です。

あどみさん
あどみさん

だって、結局はデザインが好きだからこの仕事を始める人も多いでしょう?だったら、やっぱり好きなデザインに寄ってしまうよねー。

そうですねー。かならず寄ってしまいます。

たとえば、クラウドソーシング等では、デザインをコンペ形式で募集しているサイトがありますよね。特に会社に所属せずに、このような場所で活動するなら、自分が得意なデザインの系統の案件を探して勝負できます。

これはこれで、ひとつのやり方で、オススメです。

ただし、普通は、何らかの会社や団体に属して働きます。なので、こちらで案件を選ぶのではなく、与えられた案件をこなしていくことが中心になります。そういった場合、自分の好き嫌いは関係なく、クライアントの意向を汲み取ったデザインを作らなければなりません。

あどみさん
あどみさん

普通はそうだよねー。

そうなんです。なので、相手の意向がどんなところにあって、どんなものを望んでいるのかを読み取る努力が必要です。

たとえば、イベントのフライヤーの依頼が来たとします。

日時場所などの基本情報とは別に、イメージに繋がる情報はこれだけ↓。あとはこちらにおまかせ、って案件だったとします。

第1回〇〇市パークゴルフ大会
コンセプト「この街全体で1番を決める初めての大きな大会。参加者募集!」
あどみさん
あどみさん

え、これだけ?そんなこともあるの??

ハカセン
ハカセン

よくある。多いぞ!

もし、自分が10代の女性向けのかわいいイメージが好きだからっと言って、このフライヤーにそのイメージで作っても目的は達成されません。

実際にパークゴルフを楽しんでる年代は、まだまだ高齢層です。

なので、高齢層をターゲットにイメージを作ります。実際にゲートボール場に行って、プレイヤーを観察する方が良いでしょう。

「実際高齢者の方が多いなー」
「高齢者の皆さんは、それほど競い合いたいと思っていないのでは」
「むしろ、いろいろ持ち寄って、一緒にワイワイやってる感じが好きそうだなー」
「だったら、“みんなで協力し合いながら、和気あいあいと大きな大会を楽しんでいる”的なイメージが良いかもー…」

などとイメージを作ります。そして、それが正しいかどうかを、リサーチをしながら主体となるテーマに焦点を絞っていきます。

では、もうひとつ別な案件で考えてみます。

新しいアイスクリームのフライヤーの依頼があったとします。
作ったフライヤーをみんなが見た時に、「かわいいー」と言ったら、そのフライヤーはダメ”です。「おいしそう、食べたい!」「買いたい!」といえば、“正解”です。

あどみさん
あどみさん

あ、そうかー!「かわいい」っていうのを作りたくなるけど、売ることが目的なら、おいしそう!じゃないと、買ってもらえないねー。

そうなんです。このケースでは、「かわいい」も必要ですが、そこにばかり集中してしまいがちになります。先に「おいしそー♪」が来なければ、効果は低いんです。
カッコ良く作ろうとすれば、フライヤーの目的より、その「カッコ良い」を優先してしまうのが、デザイン好きな人=デザイナーの性かもしれません。

売る=「目的」
かわいい・カッコいい=「手段」

「手段」「目的」入れ違ってませんか?

デザインが好きな人は、好きなデザインのフライヤーやパッケージ等を取って置く人が多いですね。でも、取って置きたくなるフライヤーを目指してはダメです。デザインコンセプトとしてそういう目的がある場合のみそれを目指しましょう。

【やっちゃダメ】自分の個性を出そうとする

まず、キモに据えていて欲しいことがあります。それは基本が出来ていない人は、何が個性かさえ分かっていない」ってことです。

これは「皆と同じものを作ってもしょうがない」という思考に対しての答えです。初心者の人から、とてもよく聞くフレーズです。

あどみさん
あどみさん

デザイン好きなら、個性って結構気にするような気がするよ…。そう思ってしまうのも仕方ない気がする…。

そうです。この思考は自分も通りましたし、ほとんどの人が通ります。

しかし、これは、野球でプロの投手を目指す人が、いきなり投げ方に個性を出したいと練習するようなものです。最初から個性的なフォームを練習しても、基本的にはモノになりません。時間を無駄にするし、身体も壊します。残念ながら、問題外です…。

あどみさん
あどみさん

確かに…。

デザインはひとつひとつに意味があります。デザインの歴史で吟味されてきた、効果のあるセオリーがたくさん存在しています

ある程度経験を積んだプロは、セオリーを理解した上で、なんらかの効果のために、そのセオリーを壊していくことがあります。要は、マイナスを5出して、10プラスを作るようなイメージです。

セオリーを理解していなければ、壊す場所を理解できません。自分が出せると思っている効果も、ほぼ思い込みです。そもそも、効果を出すことさえ考え切れていません。なので、効果を出せたとしても、残念ながらまぐれです。実際に、ほとんどが、デザインとして成立していませんでした。

ハカセン
ハカセン

基本に忠実に作って効果が出せるようになったら、自分の個性を追求しようのー♪

あどみさん
あどみさん

そうだね!それが早道だねー♪

【やっちゃダメ】クライアントが持つイメージを優先してしまう

幸子さん
幸子さん

これは優先するべきだと思うけど…

そうですね、優先すべきです。クライアントの意向を無視することは絶対にいけません。

ただし重要なことは、クライアントさんがデザインに求めているイメージが、適切かどうかが問題なんです。

たとえば、先程のパークゴルフのフライヤーで、クライアントの意向が「勝ち上がって1位を取る」という“勢いのあるイメージ“だったとします。

幸子さん
幸子さん

あ、そうかー、実際に来る人達が反応してくれるものとは、違うかもねー…。

そうなんです。クライアントの意向と、実際に効果がありそうなデザインに違いがある場合、“人をたくさん集めたい”という、本来の目的に沿って作ることが必要ですよね。

幸子さん
幸子さん

でも、クライアントの意向が違ったら、難しいよねー…。

私がクライアントだったら、こうしてほしいって言ってるのに、全然違うのができてきたら、びっくりするもん。時間だって限られてるだろうし…。

そうなんです。クライアントの言うことを無視して、こちらの意向だけを押し付けることは絶対にいけません。そういうデザインを沢山見てきました。

あどみさん
あどみさん

でもね、この記事は初心者向けでしょ?その初心者が「こっちの方が効果ある」って言えなくない?

素晴らしい意見です!まったくの正論。実際に自分の考えは会社の上司に相談してください。同僚や先輩には意見をもらいながらも、最後は上司に確認をしなくてはいけません。

あどみさん
あどみさん

上司ってところが大切なのね?

そうです。会社に属している場合は、そこが重要です。そこで、上司にあなたの提案が良いと言ってもらえたとします。その場合は、以下のようにしましょう(実際はどうするかも上司と決めます)。

1.もう一度しっかり話し合う
2.クライアントのイメージも加えながら、ターゲットに合うイメージに融合させていく
3.両方のパターンを作る

本来は、しっかり話し合うことが1番良いです。ただし、自分達の意見に固執せず、話し合った結果、お客様の意見が変わらなければ、その意向を尊重します。

2.は、上手にできなければ、どっちつかずになってしまうので注意ですね。しかし、上手くいくと、非常に効果のあるデザインが出来ることがあります。

3.は、お客様のイメージを否定せずに、自分たちの案を「提案」という形で検討してもらうことができます。その上で、クライアントが元々の自分のイメージを選んだとすれば、それはそれとして受け止めます。

Sposored Links

まとめ

Photo by Alex Alvarez on Unsplash

デザインの現場にしろ、スポーツにしろ、プロを目指す場合は、やはり基本がとても重要です。

勉強をするには、デザインの教科書を沢山読む、もしくは、実際に学校に行くなど、選択肢は沢山あります。

ただし、実際の現場では、やりながら覚えていくことが多く、基本が身についていない段階でクライアントの仕事をすることもあります。仕事をしながら自分でしっかり勉強していく必要がありますね。

いずれにせよ、貪欲に基本を見に付けて、その基本から効果を出すことを目指して行きましょう。

自分の作りたいデザインは、基本が身につくまで、プライベートで自分用に作ると良いです。それも大切な練習や経験のひとつですね。

効果の出る「良いデザイン」と自分が「好きなデザイン」には差がある。これを常に頭に置いておく必要があります。

この商業デザインの面白いところは、作ったデザインが良ければ、しっかり効果が出ることです。効果測定が出来ることですね。効果が出るようになれば、とても面白くなります。まずは、好きなデザインを作るより、効果を出すことをしっかり目標にしてください。

とはいえ、いずれ、好きなデザインで勝負する機会もたくさんあるでしょう。なので、好きなデザインもしっかり磨いておいてくださいね!

以上、3つの間違いを犯さない、という心構えを持ってデザインに取り組んでみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました