大切な雛人形の処分では、譲渡(寄付)や廃棄は、あまりおすすめできません。もちろん、リサイクルや売却も同じです。
雛人形は、さまざまな想いが込められた意味のある人形です。できるだけ「供養」をおすすめします。
雛人形の処分は供養が良い
雛人形は、できるだけ供養をおすすめします。譲渡(寄付)や廃棄は、あまりおすすめしません。その理由は以下の3つです。
・雛人形の「意味」や「役割」
・人形に込められた想い
・人形自身の想い
どうしても譲渡や売却を検討したい場合は、「供養をした後」に行うことをおすすめします(その方法も最後にご紹介します。
雛人形の役割:形代(身代わり)
雛人形は本来、人形(ひとがた)の形代(かたしろ)です。形代とは「厄の身代わり」のこと。そして、形代である人形(ひとがた)は、もともとひとりに対してひとつ。
なので、雛人形は、持ち主ひとりの厄を身代わり、その人を守り続けるのです。長年を共にする「お守り」でもあるということです。
その形代を誰かに譲渡するということは、その厄も一緒に渡してしまうということ。そのまま廃棄してしまうことは、長年厄を背負ってくれたお守りを、ゴミ箱に捨ててしまうようなこと。なので、譲渡も廃棄もおすすめできないのです。
・雛人形は形代なので、持ち主を守り、厄を身代わる
・譲渡は人に厄を渡すこと
・廃棄はお守りをゴミ箱に捨てるのと同じ
人形への想い・人形の想い
雛人形は形代であり、形代には災厄の身代わりになってもらうという意味があります。
そこから、雛人形には「災難や病気を避けて、健やかに、幸せに育ってほしい」という送り主の願いが込められています。そして、人形を作る職人たちは「持ち主の人生を見守ってほしい」という願いを込めて作っています。
そして、それらの想いを受けた人形たちは、厄を身代わり、持ち主が小さな頃から、成長を見守ってきたのです。なので、厄を背負ってくれた彼らへの感謝と共に、供養が必要なのです。
・雛人形には、持ち主だけではなく、送り主、職人、そして、人形自身の想いがある
供養の方法
では供養の方法をご紹介します。こちらでご紹介するのは、大きく分けて以下の2つです。
・供養してもらう
・自分で供養する
供養してもらう方法としてはこちらを
・神社仏閣
・供養祭
・葬儀社
自分で供養する方法としてはこちらをご紹介します。
・供養キット(結城諏訪神社)
・自宅にあるもので行う方法
神社仏閣での供養
神社仏閣では、人形供養を行っている寺社がありますので、「各都道府県の人形供養ができる『神社仏閣の検索サイト』」をご紹介します。ご自身の地域で探してみてください。
寺社の中には、雛人形の「郵送」を受け付けている寺社もあるので、「郵送ができる代表的な神社仏閣」もご紹介します。
● 各地の人形供養できる神社仏閣の検索サイト「ホトカミ」
・都道府県別に検索可
・205件の寺社を掲載
● 千葉県長生郡 長福寿寺(郵送可)
・人形供養400年の歴史あり
・3ヶ月の読経供養後お焚き上げ
・1〜2万円程度(+送料)
【所在地】千葉県長生郡長南町
● 千葉県市川市 光胤山(こういんざん)本光寺(郵送可)
・人形供養大祭(4月第2日曜日)もあり
・要予約
・3〜7万円(+送料)
【所在地】千葉県市川市大野町
● 群馬県藤岡市 富士浅間神社(郵送可)
・毎月式典を実行。供養終了の報告あり
・持込郵送共に事前連絡が必要
・2,500円前後(気持ちで収める)(+送料)
【所在地】群馬県藤岡市藤岡
人形供養祭
各地で人形供養を大規模で行う「供養祭」があり、こちらでも供養ができます。代表的なものをご紹介します。ご紹介するもの以外でも各地で実施されていますので、ご自身での検索もおすすめいたします。
● 明治神宮人形感謝祭(郵送可(代行サービスへ))
・毎年10月初旬
・東京都渋谷区明治神宮本殿にて
・3千円から
・代行サービス(日本人形協会)により年中「郵送受付」実施
→申込後に送られてくる「お人形差出キット」で梱包をして郵送
【開催場所】東京都渋谷区代々木神園町 明治神宮御社殿(本殿)
● 岩槻人形供養祭(郵送可)
・日本有数の雛人形の名産地
・毎年11月3日
・さいたま県岩槻城址公園内にて
・3千円より
【開催場所】埼玉県さいたま市岩槻区太田 岩槻城址公園 人形塚
● 淡嶋神社 雛祭(雛流し)
・女びな男びなに縁ある神社
・雛人形を船に乗せ川に流す神事として有名
・毎年3月3日
・和歌山県和歌山市淡嶋神社にて
・1,500円より
【開催場所】和歌山県和歌山市加太 淡嶋神社
葬儀社での供養
葬儀社での供養も可能ですので、「葬儀社 人形供養 ○○(地域名)」で検索してみてください。安価なところも多く、読経に加え、お焚きあげをしてくれる葬儀社もあります。
自分で行う供養
やむを得ない理由により、自分で供養を行いたい場合の方法をご紹介します。おすすめは「もの供養キット」の使用です。
ご自身で廃棄をする場合は、供養後だとしても、心が苦しくなることが多くあります。自治体の基準に合わせながらも、苦しみの少ない方法で廃棄方法をご検討ください。
● 結城諏訪神社 《もの供養キット》
・自宅で行うための一式が送られてくる
・送られてきた形代(紙の人形)に人形の御霊を移し替える
・移した形代を神社に送り返し、供養してもらう
・人形は依頼者が処分(布などで包んで処理をしましょう)
・5千円より
・通常の人形供養も実施
【所在地】茨城県結城市上山川
● 家にあるもので行う
【準備をするもの】
①白い和紙(なければ白い紙)または、白い布
②清めの塩
③人形の汚れを落とすタオルか布
- 入浴で自身の身体をきれいにする(清める)
- 人形の身体を拭き、汚れを落とす(感謝の気持ちを込める)
- 白い和紙(白い布)の上に汚れを落とした人形を置く
- 人形に清めの塩をまく(人形が天へ昇るよう祈る)
- 最後にもういちど感謝の気持ちを伝える
- 下にひいた白い和紙(白い布)で人形を包む
- そのままの状態で廃棄などの処理を行う
どうしても、譲渡・売却をしたい場合のおすすめの方法
譲渡、売却するなら供養(人形の御霊を抜いた)後にで行いましょう。以下の2つがおすすめです。
- 神社などに相談し、供養後に持ち帰る
- 上記の「自分で行う供養」の後に行う(6.以降は行わない)
まとめ
雛人形の処分で大切なのは、心の問題だと思います。感謝の気持ちを持ち、自分の心が痛まない処分の仕方を選んでみてください。
大切にしてきた人形には心が宿るといいます。彼らの心も大切にしながら供養をしてあげたいですね。
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