前回、超初心者向けの名刺作りをお伝えしましたが、
今回は作成した名刺を自宅で印刷する方法をお伝えします。
名刺サイズの紙を買ってきて印刷すればいいんでしょ?簡単じゃないの?
残念ながら家庭用のプリンターでは、名刺くらい小さいサイズで印刷できるものは少ないのー。
そうなんです。ちょっとしたひと手間が必要なんです。では、名刺用紙を購入するところから始めましょう。
名刺用紙の購入をしよう!
家電量販店などに名刺用紙を買いに行くと、実際の名刺サイズの紙が売っていることはほぼ無いですよね。基本的にはA4サイズに名刺サイズの枠が10個並んでいるものが多いです。
中身はこのようなものです。
こちらに印刷したら、手でパリパリと折って余計な枠を外して名刺サイズにして行きます。パリパリ好きの人はとても多いんですよ。
へぇー。でも、印刷用紙は、それぞれのメーカーやシリーズごとに違うんじゃない?
はい、紙の質とか厚みは違いがあります。ただ、名刺用紙の枠の位置は、さまざまなメーカーやシリーズのものでも基本的に同じです。ですが、稀に違うものもあるかもしれませんので、不安でしたらA-ONEシリーズをオススメします。
あれ? でも、メーカーのサイトに印刷用のテンプレートがあるみたい!
はい、使えます!
でも、慣れてしまえば、わざわざテンプレートをダウンロードして印刷するより、自分で並べたほうが早いんです。それに、まずはIllustratorに慣れるといった意味でも、このやり方で作ってみましょう。慣れると3分で終わりますよ!
では、こちらの用紙を購入し、準備をしましょう。
きちんと印刷するための予備知識!
名刺印刷用紙のフォーマットにピタッと印刷するために、データを合わせるんですが、まず完成したイメージを見てください。
あれ、思ってた並べ方と違う。この並べ方に意味があるの???
はい、あります。実際印刷すると、データーの配置と紙との間にズレができるんです。印刷屋さんでも多少ズレますが、特に自宅印刷はズレやすいんです。
例えば、こんな風に並べたとします。
印刷したときズレてしまうと、こんな風↓になってしまうんですね。
なので、上下左右多少ずれても、ズレが目立たないような並べ方をします。それが、最初にお見せした並べ方です。目立たない並べ方ができたら、更に念押しをして、「塗り足し」を付けます。
わかりやすいように、説明したものがこちら↓。
わかりやすいように名刺の枠に点線を付けちょるが、実際の印刷データーには付けちゃイケンよー!
なるほどー、向きとか、塗り足しの場所とか、名刺のデザインによって考えなくちゃいけないのかー
そうですね。でも、慣れですぐに出来るようになります。私はいつも忘れてて、印刷してから気づきます。あ、ズレてる!って。
……。
では、実際に印刷データーを作りましょう。
印刷データーを作ろう!
それでは、印刷データーを作る前に、操作を間違えた場合の取り消し方を説明しますね。
操作を間違えた時の「取り消し」のやり方
データー作成の時、操作を間違えたら、ひとつ前に戻りましょう。
画面最上部のメニューバーから「編集」→「○○の取り消し」をクリック
この○○の部分は、直前の操作が表示されるので、毎回違う可能性がありますが、「編集」メニューの1番上に固定されていますー。
【お得情報!】「取り消し」のショートカット!
いちいち何度もクリックしなくても良い方法はこちらー
キーボードの「command」キーと「Z」キーを同時に押す
よし!印刷データーを作ろう!
では、前回のデーターを開きましょう。
まずは、前回保存したデーターをダブルクリックしてください。Illustratorが立ち上がり、前回のデーターが開きます。
先にIllustratorを立ち上げた後に、画面上の「ファイル」→「開く」からでも開けますー。
画面が開きました。
まずは、印刷する時に邪魔になるので、黒い枠を透明にします。
名刺の枠をクリックして選択。
青い線がでましたね。次にスウォッチのパネルで
①線のタイルをクリック
②赤斜め線のタイルをクリック
スウォッチのパネルが出てなかったら、画面最上部の「ウィンドウ」→「スウォッチ」をクリックしてくださいー。
線が消えました。
次に名刺を横にします。
まずは、データがズレないように、別々のデータをひとつにまとめます。これをグループ化と言います。
名刺のデータ全てを選択します。ドラッグで一気に選択しましょう。
全てが入るように、名刺の左斜め上から右下まで、一気にドラッグしてください。
一気に選択されました。
shiftを押しながら、オブジェクト(素材)をひとつひとつ選んでも良いですが、ドラッグで選べると、楽なケースが多いですー。
次にグループ化します。
全て選択している状態で
画面最上部の「オブジェクト」→「グループ」をクリック。
グループ化されました。
バラバラの文字やオブジェクト(図形などの素材のこと)だったものが、1つのオブジェクトになっています。
では、この名刺を真横にします。
名刺が選択されたまま、カーソルを左上の角に近づけます。カーソルが半円矢印の形なるまで動かしてください。
その状態のまま、shiftキーを押しながら、ぐるっと下にドラッグします。
ドラッグでオブジェクトを動かすと自由に動かせるんぢゃが、shiftを押しながら動かすと、全くズレずに真横、真縦、真斜めに動かせるんぢゃ。
次にコピーをして、逆向きにして横に並べます。
選択された状態で
画面最上段のメニューバーの「編集」→「コピー」をクリック。
次に、また画面最上段のメニューバーの「編集」→「ペースト」をクリック。画面にコピーが貼り付けられます。
コピーした名刺を、先ほどとは反対側にくるっと回転させます。
逆向きになりました。
次に、この2つの名刺をピッタリと横に並べ、上下をキレイに揃えます。
まずは、名刺を2つとも選択します。
今回はshiftキーを押しながらもう一つの名刺をクリック。
キレイに整列させるために「整列」のパネルを表示します。
画面最上段のメニューバーから「ウィンドウ」→「整列」をクリック
「整列」のパネルが出ました。
これはとても便利でよく使いおるよー。
この2つを選んだまま、左の名刺をクリックします。
クリックした方が、強調されました。
これは、どれを軸(固定する)にするかを決める作業ぢゃのー。この強調したオブジェクトを軸にして並べてねー、ということぢゃ。
軸が決まると、整列のパネルの「等間隔に分布」の数字が表示されます。
①数字を「0」
②「水平方向等間隔に分布」をクリック。
これで、左右の名刺がぴったりと隣合わせになりました。
この「等間隔に分布」は、複数のオブジェクトの間隔を設定して、均等に並べるものぢゃ。5mmにしたら5mmずつ並ぶぞ。「0」にしたということは、隙間なくピッタリ並べる、ということぢゃけんのー。
続けてそのまま「垂直方向中央に整列」をクリック。
上下が、このようにキレイに整列されました。
ズレないように、こちらをグループにします。
先ほどと同じく、2つとも選択された状態で
画面最上段のメニューバーの「オブジェクト」→「グループ」をクリック。
グループ化されました。
次に、コピペを繰り返し、計10枚にします。
では、そのままアートボードの上の方へドラッグします。
次にコピーをしますが、先程とは別なやり方をします。
この名刺を
キーボードの「shift」と「option」を同時にを押しながら、下にドラッグ
元の名刺の下にピタッと収まる場所に来たら、ドラッグしてる手を離してください。
この場所でドラッグしている指を離します。
【注意です!】先に、ドラッグしてる指(マウス側)から離して、次に「command」と「option」を押している指(キーボード側)を離してくださいねー。
次に
キーボードの「commandキー」を押しながら、「D」キーを3回押してください。
1回押すごとにコピーが繰り返されることが分かりますね。
ほんとだー!すごーい!
これは「直前の作業を繰り返す」ショートカットキーぢゃ。だから、この「command」+「D」を押す前に違う作業をしていたら、その作業が繰り返されるけんのー。
名刺を選択した状態で
メニューキーの「編集」→「コピー」
次に「編集」→「ペースト」
でコピペしてもいいですー。
【お得情報!】コピペのショートカット!
慣れたら、このやり方しか使わないですよー。
コピーしたいオブジェクトを選択
次に「command」+「C」
次に「command」+「D」
3回行うとこのようになります。
ある程度ピタッと揃ってるはずですが、ズレてても大丈夫です。いずれにしても、再度キレイに揃えましょう。整列のパネルを使います。
この全ての名刺を選択
そのまま1番上の名刺をクリック
するとこうなります。
次に「整列のパネル」の「等間隔に分布」から
①の数字を「0」
②「垂直方向等間隔に分布」をクリック
③「水平方向中央に整列」をクリック
これで、キレイに整列されました。
次に全てをグループにして1つの塊にします。
すべてが選択されている状態で
画面最上部のメニューバーの「オブジェクト」→「グループ」をクリック。
これで、この整列された名刺が、ひとつのオブジェクトになりました。
次に、この整列された名刺を、きっちり上下左右の真ん中に合わせます。
全てが選択されている状態で
整列パネルの
①「整列」をクリック
②アードボードに整列をクリック。
これは、「選んだオブジェクトを整列させる時は、アートボードを基準にしてちょーだい」ということぢゃ。右端に揃えるを選んだら、アートボードの右端に揃うけんねー。
次に、整列のパネルの
①「水平方向中央に整列」をクリック
②「垂直方向中央に整列」をクリック
名刺のグループが中央に配置されました。
次に、ピンクの部分の「塗り足し」を作ります。
画面左側のツールバーの「長方形ツール」をクリック。
アートボードの開いてる部分(どこでも良い)をクリック
幅「91 mm」、高さ「281mm」と入力して、「OK」をクリック」
このような大きい長方形ができました。
できた長方形の色は、この画像の色と違っても大丈夫ですよー。
この長方形の横幅は、全体のピンク部分の横幅と同じ、縦は全体のピンク部分の上下3mmずつ(計6mm)多くとってあるんよ。印刷の為の「塗り足し」ぢゃねー。
次に色を名刺のピンクと同じピンクにします。
画面左側のツールバーの「スポイト」をクリック。
スポイトは色を盗むためのツールぢゃ。便利ぢゃよ!
もし、スポイトが見つからなかったら、ツールバーの下にある「…」をクリックして、出てきた一覧の中から探してくださいー。
今作った長方形が選択されている状態で、名刺のピンク色の部分をクリック。
選択された長方形が名刺のピンクになりました。
次に長方形の場所を移動します。
長方形を選択した状態で、整列のパネルの
①「水平方向中央に整列」をクリック
②「垂直方向中央に整列」をクリック
中央に移動しました。
現在のままだと、長方形が一番前にあり文字が見えないので、文字やオブジェクトの1番背後に移動させます。
長方形を選択した状態で
画面最上部のメニューバーの「オブジェクト」→「重ね順」→「最背面へ」をクリック
長方形が文字より背後に移動したので、文字等が見えるようになりました。
これで完成です!
もともと名刺に付けてたピンクの長方形は、この大きな長方形を付けたことで、いらなくなっていますー。なので、全部削除しても大丈夫ですよー。
その場合、グループで全てがひと塊になっていますので、グループを解除して全てをバラバラにします。2回ほどグループ化してるので、2回以上解除をしますー。
メニューバーの「オブジェクト」→「グループ解除」を2回繰り返してくださいー(3回でも4回でも大丈夫ですよ)
その後、ひとつひとつ選んで、削除(「delete」キー)してくださいねー。
たくさん触って覚えましょう!
できたですー ♪ でも、なんかコピーのやり方ひとつとっても、いろんなやり方があるんですねー。
そうなんです!
なので、この名刺の作り方も、印刷データの作り方も、何通りもあります。それが、Illustratorの良いところだと思います。自分のやりやすい方法を見つけられるし、全部のツールを覚えなくとも、知ってるツールの組み合わせで、いろんなことができてしまいます。
そうかー、まずは最低限のツールや使い方を覚えないとなー。
マニュアル本とかで一通り試してみるのも良いですね。でも、本一冊やったけど、たくさんありすぎて覚えていない、ってことがほとんどです。なので、Illustratorに慣れるって感じで一冊やってみるのもいいと思います。
後は、作りたいものに合わせて、ネットなどでマニュアルを探してみるのも良いですよ。
わかったー。
印刷をしよう!
では、印刷しましょう!
まずは印刷用紙を自宅のプリンターにセットしてください。紙の裏表は購入した用紙のパッケージに記載があると思いますが、両面印刷可能なものが多いです。
セットできたら、Illustratorに戻ります。
画面上部のメニューバー「ファイル」→「プリント」をクリック
印刷先のプリンターを設定し
①「用紙サイズ」はA4縁なし
②縮小・拡大は「しない」
③「プリント」をクリック
縁無しにすると、印刷できる領域が広くなるのぢゃ。アートボードいっぱいにデザインを作ってる場合などは、これを選ぶと良いけんのー。
これで印刷は完了です!印刷された用紙をぱりぱり折ったあとは、ぜひ使ってみてください。
自宅でお使いのプリンターの機種によっては、上記のやり方以外に、何らかの設定が必要なことがあるかもしれませんー。
その場合は、お使いのプリンターの説明を検索してみてくださいねー。
やったー!名刺だー!ぱりぱり気持ちいいー♪
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